クラミジアと病原体

性感染症の中でも、ずばぬけて拡散しているクラミジア、その脅威はこの拡散力にあります。

感染が広がる最大の理由は「症状が出ない人が多い=性感染症なんて自分には無関係」という考え方によります。

しかし性交渉をする以上、性感染症はつきものです。

人が使ったトイレの便座が汚くて座れないという人がいますが、そんなことよりセックスによる性感染症の確率の方がはるかに高いのです。

クラミジアが広がりやすい理由は、病原体の特殊な性質のせいでもあります。

普通の細菌は生きた菌が人の体を住処として利用します。

しかしクラミジア菌は人の細胞なしでは生きられず、人の細胞内部に寄生し、細胞の中でどんどん増殖していきます。

特定の細胞の中で留まっているうちは、症状は出ません。

しかし細菌が増えすぎると、さすがに手狭になりますね。

そうすると増えたクラミジア菌は細胞の外に出て、新しい細胞=住処を探すのです。

こうした理由で、症状が出にくく進行もゆっくりなのですが、気がついたときには多くの臓器をクラミジアが占拠していたということにもなりかねません。

逆に言いますと、早めに感染が解れば投薬治療で根治可能です。検査を受けておくことの重要性はここにあります。

ところで、クラミジア=性感染症の細菌と思われがちですが、クラミジア菌にも数パターンあり、オウム病や一部の肺炎を起こすタイプは性感染症とは関係ありません。

性感染症を起こすクラミジア菌は「クラミジア・トラコマティス」と言い「トラコーマ」という結膜炎、また肺炎を起こすことがあります。

菌が同じですので、性交渉からトラコーマにかかることはあります。

ただしトラコーマや肺炎はかなり稀なケースです。

また同じ病原菌でも細菌やウイルスというのは微妙に型が異なるのです。

従って、クラミジアの感染を調べる方法は、抗原検査=病原菌そのものがいるかどうかの確認検査(細胞診など)と抗体検査(血液検査)の両方を受けておくと完璧です。

kensa1